35年変わらない障がい者への思い 法定雇用率の先に見えてくる、「社会の財産」という障がい者雇用の真の目的

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平下塗装 株式会社

社長 平下 学さん・総務 平下 洋子さん

障がい者の能力を活かし戦力化した先駆者

35年前、父が始めた障がい者雇用は、かつての地域の助け合いでした。しかし、現場で習うより慣れろで進めるうちに、一人ひとりが持つ能力を活かせば、戦力として機能するのではと考え初めました。

採用の際には「書類だけでは何もわからない」と、ハローワーク職員に工場に来てもらい、企業PRには養護学校へ足を運びました。

障がいのある社員が増えてくると、父に「この子たちを辞めさせるわけにはいかん」と言われましたが、今や障がい者はうちの本当の戦力となっている人材です。県内では当社だけと言われるまでになりました。


入力だけではもったいない素晴らしい能力
苦手もカバーし合いながらチームで臨む

精神障がい者の雇用は、鷲見さんが初めてです。当初は現場に馴染めず大変な事もあったのですが、履歴書をよく見ると、PCの資格をたくさん持っていることが分かり、事務所で働いてもらう事にしました。

最初の仕事はデータ入力だけでしたが、スピードが早く時間が余ってしまう事もありました。ただのオペレーターではもったいないと考え、「もっと上まで引っ張りたい」と喧嘩しながら指導するうちに、素晴らしい能力が引き出されてきました。かつてはエクセルの計算式も自己流で、彼以外は触れなかったのですが、家庭の協力も得ながら、会社で必要とされる資料作りをマスターしました。

興味のあることは、絶対に忘れないし伸び率もすごく高いです。伝票発行に関してはプロの域で、顧客ごとに違う請求書の締め日を全部覚えていて、私達が忘れていてもきちんと発行してくれます。

苦手な事もありますが、仕事は野球みたいなものです。カバーし合いながらチームで臨んでいます。

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長年の試行錯誤の答えは「障がい者は社会の財産」

支援機関と連携して本格的に採用を始めたのは25年前でした。あの頃は当社以外に障がい者雇用の情報が少なかったため、噂を聞きつけて、バス見学ツアーが来たり、講師の依頼もありました。

しかし、最初からきちんと出来た訳ではありません。試行錯誤するうちに、制度やノウハウなどが少しずつ分かってきて、今の形にたどり着きました。

障がいのある社員は、揉まれながら成長することで顔つきも違ってきます。その人のいい所を探し能力を見極める事が、長く働いてもらうポイントです。その結果、社会保険や所得税を収めれば、社会を支える側にも回れます。最初の賃金は安くてもいいので、チャンスを与え長く育てて欲しいと考えています。

今では当社は、障がいのある社員で成り立っています。大切な経理業務も単調な現場作業もきちんとこなしてくれる、彼らは会社のみならず社会にとっても大切な財産です。

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従事作業内容

データ入力、伝票発行、電話対応、清掃、その他事務作業 など

採用までのプロセス

  • 特別支援学校
  • 職場実習
    2週間
  • 正式採用

活用した支援制度・機関

特別支援学校 ハローワーク 障害者就業・生活支援センター


平下塗装 株式会社

従業員数26名、うち障がい者数19名

所在地 愛知県大府市横根町坊主山1-608
事業内容 金属塗装

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